1969年に『ルルとミミ』でデビュー以降、『ポーの一族』や『トーマの心臓』など不朽の名作を生み、幅広いジャンルを手掛けてきた萩尾望都。大島弓子など同時期に人気を集めた漫画家らとともに「花の24年組」と呼ばれ、1970年代の少女漫画黄金期を築きました。
そうした中で1975年に発表された『11人いる!』は、従来の少女漫画では例をみない本格的SF作品として、その華麗なる登場が当時の漫画界に衝撃を与えます。以後、『百億の昼と千億の夜』(原作:光瀬龍)、『スター・レッド』、『マージナル』、『バルバラ異界』などの名作を世に送り出し、今も多くのファンを魅了してやみません。
本展覧会では、日本の少女漫画史におけるSFの黎明期を担った萩尾望都のカラーイラストレーション、コミック生原稿など、約400点のSF原画が大集合。
惑星に魅入られた奇跡の漫画家・萩尾望都が描きだした星々が煌く、夢の展示空間が実現します!
■萩尾望都(はぎお・もと)プロフィール
1949年、福岡県大牟田市生まれ。1969年『ルルとミミ』でデビューする。
SF界では、星雲賞コミック部門で3度もの栄冠(1980年に『スター・レッド』、1983年に『銀の三角』、1985年に『X+Y』で受賞)という金字塔を打ち建て、2006年には『バルバラ異界』で日本SF大賞を受賞。
また2012年に少女漫画家としては初めて紫綬褒章を受章している。
~主な賞歴~
◆1976年 第21回小学館漫画賞を受賞。(『ポーの一族』『11人いる!』)
◆1997年 第1回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞を受賞。(『残酷な神が支配する』)
◆2006年 第27回日本SF大賞を受賞。(『バルバラ異界』)
◆2010年 米コミックコンベンション・インクポット賞(Inkpot Award)を受賞。
◆2011年 全作品に対して、第40回文部科学大臣賞を受賞。
◆2012年 紫綬褒章を受章。
◆2017年 朝日賞を受賞。