kmma-201809-青柳喜兵衛-展覧会
 
 
北九州市立美術館 本館 | 没後80年 青柳喜兵衛とその時代
 
 
青柳喜兵衛(1904-38)は博多に生まれ、大正末期から昭和初期にかけて活躍した洋画家です。
帝展をはじめ槐樹社、旺玄社で作品を発表し、その画風は牧野虎雄、吉村芳松ら官展系作家の影響が見られますが、一方で、玉葱や蓮根などの野菜や郷土玩具などをモチーフにした作品には、軽妙酒脱ともいうべき青柳の個性が早くから表れています。
第1回新文展で無鑑査となるなど、若くして高い評価を受けましたが、1938年、34歳で早世しました。
 
洋画のほか、夢野久作の新聞小説『犬神博士』挿絵をはじめ、火野葦平、劉寒吉、原田種夫ら九州の文士たちとの交流から生まれた多くの装丁・挿絵は、青柳の画業の大きな一角を占めています。
 
代表作《天翔ける神々》(1937年、北九州市立美術館蔵)をはじめ、挿絵なども含む、青柳の多彩な画業の全容が明らかとなるのは本展が初となります。
 
青柳と、彼と交流した作家たちの作品をあわせた約200点から、戦前の九州で芸術、文学を横断して花開いた文化の一端をご紹介します。