kmma-201904-寺田政明-展覧会
 
 
北九州市立美術館 本館 | コレクション展I 特集 没後30年 寺田政明 描く故に我あり
 
 
◆特集: 没後30年 寺田政明 描く故に我あり ※本コーナーは撮影OKです
 
当年、没後30年を迎える北九州市出身の画家・寺田政明(1912-89)を特集します。
寺田は戦前の「池袋モンパルナス」における若手芸術家の中心人物の一人であり、日本におけるシュルレアリスムを代表する画家です。北九州市八幡東区に生まれ、16歳で画家になるために上京。太平洋美術学校に入り、上野の博物館、動物園、小石川の植物園に足繁く通ってデッサンを重ねました。その後、エコール・ド・東京、美術文化協会の結成に参加。戦後は自由美術協会や主体美術協会に参加し、抑制された色調の中にも明るさのある詩情あふれる作品を描いたことで知られています。
 
本特集では当館コレクションより、油彩、素描など約100点を厳選し、展示します。小熊秀雄をはじめとする文学者たちとの幅広い交友から生まれた装丁や挿画の仕事にも注目しながら、改めて寺田政明の優れた画業を顕彰します。
 
 
◆水滸伝~歌川国芳が描く豪傑の世界 ※本コーナーは撮影OKです
 
中国の長編小説『水滸伝』は、奸臣がはびこる北宋(960-1127年)末期を舞台に、義侠心に富んだ108人の豪傑たちが大活躍する物語です。日本では江戸時代18世紀半ば頃から普及し始め、豪傑たちの姿が錦絵にも盛んに描かれました。本コーナーでは、勇猛果敢な豪傑たちそれぞれの特徴をとらえた躍動感あふれる力強い姿で描き出し、歌川国芳の出世作となった『通俗水滸伝豪傑百八人之一個』シリーズをご紹介します。
 
 

80歳を超えた今もなお現役の作家として活躍する、高橋秀(1930-)、加納光於(1933-)、菊畑茂久馬(1935-)。1950年代より制作活動を行っている高橋は、1963年にイタリア政府招聘学生として渡欧、約40年間をローマで過ごし名声を博します。加納は版画、油彩において常に実験的な試みを繰り返し、国内外問わず高く評価されてきました。菊畑は1957年に結成された前衛美術集団「九州派」に参加し、反芸術の旗手として大きな注目を集めました。比類のない個性で戦後日本の前衛美術をけん引した作家たちをご紹介します。
 
◆再興院展の画家たち
 
岡倉天心が創設した日本美術院が主催する再興院展は、100年を超える歴史を誇る日本画の展覧会です。当館では本館を会場に、1980年の第64回展から再興院展を開催してきました。利便性等を考慮し、2008年の第92回展から会場を分館に移しましたが、リニューアルを機に、第103回から再び本館を会場といたします。それを記念し、当館コレクションから院展の同人として活躍した堅山南風、松尾敏男、松本哲男、西田俊英の作品をご紹介します。
 

そのほか、エドガー・ドガ《マネとマネ夫人像》(前期のみ)、ピエール=オーギュスト・ルノワール《麦わら帽子を被った女》、クロード・モネ《睡蓮、柳の反影》など、当館が誇る名品も併せて展示します。