北九州市立小倉城庭園-梅花女子大学図書館コレクション ちりめん本の世界

 
 
 

ちりめん本は、物語などを外国語に翻訳した文章と挿絵を木版印刷し、平らな和紙をちりめん状に加工して和綴じした書物です。
 
ちりめん紙の技術は、江戸後期から浮世絵のちりめん絵として制作され、オランダの画家ゴッホもその質感を絶賛したほどです。
 
 
ちりめん紙が本として登場したのは明治に入ってからのことで、長谷川武次郎が日本の昔話や風俗などを紹介する本として着手しました。
 
翻訳は幕末・明治期に来日したお雇い外国人などに依頼し、文章を彩る挿絵には小林永濯・鈴木華邨など当時の人気絵師たちが手掛けました。
 
美しいちりめん本の風合いはジャポニズム最盛期であった海外の人々を魅了し、日本土産として大変な人気を集めました。
 
 
本展では、色鮮やかなちりめん本の魅力に迫り、また職人技ともいうべきちりめん本の製作工程にも焦点を当て、写真や作製道具を交えながらご紹介します。
 
 
西洋に向けて日本の美しさを発信したちりめん本は、現代の私たちが忘れ去った日本の魅力を余すところなく具現させた本といえます。
 
言葉の壁を越えて楽しめるちりめん本の魅力を感じとっていただければ幸いです。

 
 
 

◎ 関連イベント
・オープニング記念講演会
「ちりめん本と長谷川武次郎」
武次郎のつくったちりめん本の魅力や海外の人気ぶりなどをうかがいます
日時: 10月5日(土)14時より(1時間程度)
講師: 大塚奈奈絵氏
会場: 小倉城庭園研修室
定員: 20名(申込先着順)
聴講料: 無料(呈茶付き)※入館料のみ必要です。
参加方法: お電話にてお申込みください。(TEL:093-582-2747)
 
 
 
・ギャラリートーク
本展の見どころを解説し、また明治期の風合いに復元したちりめん本にも触れていただきます。
日時: 10月26日(土)・11月9日(土) 14時より(30分程度)
会場: 企画展示室
聴講料: 無料 ※入館料のみ必要です。
参加方法: 申込不要、開始時間までに企画展示室へお集まりください。