「アート・オブ・メモリー」とは、ものごとを記憶しておくための術、すなわち「記憶術」を意味します。
今日もっぱら「芸術」という意味で捉えられる「アート」という言葉は、もともと「技術」を意味していました。
医術や弁論術、料理術、そして記憶術など、さまざまな技術を指していたアートは、次第に鑑賞の対象となる作品を生み出す技術という意味合いを強め、「美術」「芸術」を表す言葉となったのです。
しかし現代アートの世界には、絵画や彫刻などの伝統的な手法から、コンピューターやデジタル映像などの先端テクノロジーまで、多種多様なアート=技術があふれています。
ここでは美術と技術、ふたつの領域を横断するアートの両義性に着目することで、わたしたちの記憶を呼び起こす、新しい記憶術としての「記憶のアート(アート・オブ・メモリー)」を提示します。
本展では「時代の記憶」「風景の記憶」「人の記憶」「自然の記憶」という4つのキーワードをもとに、4組の現代アーティストたちを紹介します。
2000年後に発掘された携帯電話やおもちゃの化石、展示室全体を覆う動く影絵、手描きのアニメーション映像、見る人の動きに反応する参加/体験型作品…… アーティストごとに異なる手法(レシピ)によって生み出されたそれぞれの記憶のアートは、わたしたちの思い出にも通じる、どこか懐かしくも新しい世界を見せてくれるでしょう。
□ 参加アーティスト
plaplax(プラプラックス)
クワクボリョウタ
柴川敏之
北上伸江
主催 アート・オブ・メモリー展実行委員会(北九州市立美術館、毎日新聞社、TVQ九州放送)
後援 NHK北九州放送局、九州旅客鉄道株式会社、西日本鉄道株式会社、北九州モノレール、筑豊電気鉄道株式会社、株式会社スターフライヤー
◆ 関連イベント
○ アーティストトーク
4組の参加アーティスト全員が集まり、作品や制作テーマについてお話しします。
場所 / 北九州市立美術館 本館 講堂
定員 / 100名
申込み/ 聴講無料
アーティスト / plaplax 、クワクボリョウタ、柴川敏之、北上伸江
日時 / 1月25日(日)14:00?
○ 学芸員によるギャラリートーク
当館学芸員が本展覧会のテーマや作品の楽しみ方について解説します。
場所 / 展覧会場内
申込み/ ※申込み不要、ただし本展観覧料が必要です。
日時 / 毎週日曜日14:00~ ※ただし1月18日(日)、1月25日(日)、2月15日(日)をのぞく。
○ 美術ボランティアと一緒に鑑賞しよう!
ボランティア・スタッフと楽しく会話しながら鑑賞します。
場所 / 展覧会場内
申込み/ ※申込み不要、ただし本展観覧料が必要です。
日時 / 毎週土曜日13:30~15:30