田川市美術館_江上茂雄展_「雪降る」
江上茂雄 「雪降る」 (クレパス)

 
 

田川市美術館_江上茂雄展_「瀬高町、上庄」
江上茂雄 「瀬高町、上庄」 (木版)

 
 
 

◆ 今年で101歳
明治45(1912)年生まれた江上茂雄(えがみ しげお)さんは、今年で101歳を迎えます。
福岡県山門郡瀬高町(現・みやま市瀬高町)に生まれ、15歳から60歳まで三井三池鉱業所建築課に勤務し、そのかたわらで水彩やクレヨン、クレパスによる作品を描いてきました。
また退職後は、戸外で一日一枚の水彩画を仕上げることを自らの日課とし、“路傍”の画家とも称されました。

 

◆ 今日も一枚、絵ができた
「ああ、今日も一枚、絵ができた」
江上さんの飾らない心情は、日々のこの言葉に表れます。
瀬高町から大牟田、そして熊本の荒尾と、限られた地域に住まう中で描き続けたのは、「自分の居る場所」だと語る、何気ないわが町の一角でした。
家並み、壁、路地、自動販売機、貯炭場、線路・・・。
繰り返し繰り返し描かれてきたそれらは、画家が生きてきた膨大な記憶を紡ぐ、小さな一片一片です。

 

◆ 3つのミュージアムで同時期開催
この展覧会は、福岡県立美術館ならびに大牟田市立三池・カルタ資料館と同時期開催を行い、計2万点にもおよぶこれまでの作品を、それぞれの視点からご紹介します。
田川市美術館では、水彩・クレヨン・クレパス・鉛筆と、現在も制作を続ける木版画など約100点により、江上さんの“毎日”に寄り添う展示を行います。