台灣藝術漫步(たいわんアートさんぽ)Vol.12
石造りの古い建物、色とりどりの美しいタイル、昔の住居を利用した芸術村…
台湾をブラブラ歩きアートや文化、おもしろいものを探すゆるゆる探訪記。
台湾藝術漫歩 たいわんアートさんぽ12
台湾のお寺「廟(ミャオ)」の前にこのようなド派手な舞台が組まれていることがあります。
これは演劇「歌仔戲(ゴアヒ/台湾語)」や人形劇「布袋戲(ポテヒ/台湾語)」を神様に奉納するための舞台です。
今回は人形劇「布袋戲(ポテヒ)」についてご紹介します。
(※中国語では「ブーダイシー」と言います)
布袋戲は中国福建省付近から伝わった伝統人形劇です。
西遊記や三国演義などの古典演目のほか、オリジナルストーリーもあります。古くから伝わる布袋戲の人形は片手を入れて演じられますが、テレビや映画などの映像作品用に大型化されたものは、1、2人で両手を使って演じられています。
布袋戲という名前は、袋状の布に手を入れて演じるところから来ており、布袋戲の他に「掌中戲(ザンゾンシー)」と呼ばれることもあります。
言語は中国語ではなく台湾語で演じられますが、日台合同で制作された作品では日本語版もあります。
(なんと日本の宝塚で舞台化もされました!)
テレビや映画などの映像作品では、カメラワークや特殊効果など、最新の技術も積極的に取り入れられています。
顔や手は木彫り。
大型人形は今風に作られていてイケメン…!寄りにも強い美しさ。
布袋戲に登場する役柄は60種類以上ありますが、性別や年齢、身分、個性などで「生・旦・淨・末・丑・雜」の六種に分類されます。
分類と言っても老人などは生(男性)であり末(老人)であったりするので、生と末の両方に属します。
ですので、末を除いた五種類で分類されることもあります。
「生(シェン)」
男性キャラクター。知能派は「文生」肉体派は「武生」など、他にも様々なキャラクターがいる。
「旦(ダン)」
女性キャラクター。身分の違いで装飾が大きく異なる。
老人や子供のキャラクターもいます。
「淨(ジン)」
顔に隈取「花臉(ファーリェン)」をした豪快なキャラクター。顔の色で性格が表現されており、紅(赤)は忠義、青は陰湿、黒は粗雑を表している。
立派なヒゲをたくわえたものが多い。
「末(モー)」
老人のキャラクター。生・旦・淨・丑の老人キャラもすべて末にあたる。白い髪やヒゲが特徴。
「丑(チョウ)」
道化のキャラクター。表情もおもしろめ。頭の網目模様は何…?まさか薄毛…?
「雜(ザー)」
生・旦・淨・末・丑に分類されない妖怪、精霊、神などのキャラクター。孫悟空なども雜。
個性豊かなキャラクターがたくさんいます。
その他に、龍や虎、鳥などの動物「獸(ソウ)」があります。
台北では大稻埕戯苑や台北偶戲館などで人形や舞台などを詳しく見ることができます。
時間によって実際に上演されていることもあります。
日本では横浜中華街で本格的な布袋戲が見られるそうです。
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profile
河合誠子
台湾在住イラストレーター。
台湾と鳥と植物と、餃子とインドカレーが好き。
Twitter:https://twitter.com/kappa_nagare
Instagram:https://www.instagram.com/kawaiseiko_illustration/
YouTube:https://www.youtube.com/c/seikokaikai
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