Gallery MORYTA | 「九州派」
戦後、東京では「ネオ・ダダ」 、 関西では「具体美術協会」などの美術団体が生まれた。
ほぼ同じ時期、福岡市で結成された奇跡の前衛美術集団「九州派」はとりわけ異彩を放っている。
1988年、福岡市美術館における「九州派援一反芸術プロジェクト」 の開催により、その全容が明らかとなるまで、「九州派」は長い間伝説のベールに包まれたままだった。
作品の保存よりもまずその効果やアピール度を重要視し、形をともなわない活動形態も数多くあったため、作品としてほとんど現存していない。
『作品がない』という現実自体も、いわば九州派の痕跡なのだ。九州派を世に問うことはロマンにほかならない。