台灣藝術漫步(たいわんアートさんぽ)Vol.04「鐵窗花」
台湾生活3年目、慣れてはきたけれどまだまだ知らないことばかり。
石造りの古い建物、色とりどりの美しいタイル、昔の住居を利用した芸術村…
台湾全土をブラブラ歩きアートを探すゆるゆる探訪記。
台湾藝術漫歩 たいわんアートさんぽ4
台湾の街中を歩いていると、窓に鉄格子がついているのをよく見かけます。
今回は、この鉄格子『鐵窗花(ティエチュアンファ)』をご紹介します!
鐵窗花
直訳すると「鉄の窓の花」。「鐵花窗」ともいいます。(鐵窗は窓の鉄格子のこと。)
普通の鉄格子でなく、模様の入ったものを「鐵窗花」を呼びます。
1920年頃に、西洋現代建築と共に台湾に伝わった技術。
鉄の棒を職人がひとつひとつ手作業で折り曲げ溶接し、さまざまな模様を作り上げた。
決まったデザインがなかったため、職人たちは、幾何学模様や草花鳥魚などを取り入れ、独自の図案を考えた。
かなり古い時代の西洋建築。細かなデザインが美しい。
これらの西洋建築は、明治維新以降、西洋文化に心酔していた日本からもたらされた。(当時の台湾は日本統治下。)
職人たちは意匠を凝らして、さまざまな美しい鐵窗花を作り出したが、戦争が激化し、「金属回収令」が発令され、その多くが失われた・・・。
60年代、70年代になり、経済的に大きく発展し、生活が豊かになるにつれ、鐵窗花も再び作られるようになった。(現在の一般家屋のものは、おそらくこの時代のもの。)
しかし、高温多湿な台湾では、劣化が激しく、1、2年ごとの塗装の塗りかえなど管理に手間がかかり、加えて90年代には、ステンレス製の大量生産できる柵が登場し、防犯機能にも劣り、制作にも手間も費用もかかる鐵窗花は減少していった。
失われつつあった鐵窗花だったが、無機質で単調なステンレス製に比べ、職人の手作りによるあたたかみのあるその佇まいを、自身の思い出と重ね合わせ懐かしむ人たちによって、今、少しずつ受け継がれようとしている。
ご紹介したものは、台北・新北市でよく見られるもののほんの一部です。
台湾街歩きの際は、ぜひ探してみてください!
今回は台北のものばかりでしたが、地域にも独自のデザインがいろいろあるそうです!
別の地域もまたご紹介いたします〜〜〜!
profile
河合誠子
台湾在住イラストレーター。
台湾と鳥と植物と、餃子とインドカレーが好き。
Twitter:https://twitter.com/kappa_nagare
Instagram:https://www.instagram.com/kawaiseiko_illustration/
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