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イタリア会館 SPAZIO | 田篭みつえ展

 
 

織物の中にスコットランド発祥のホームスパンと呼ばれるものがあります。刈り取った羊毛を家庭(ホーム)でざっくり不揃いに紡いだ (スパン)糸で手織りした布という意味です。

 

機械ではなく手で紡いだ糸の素朴さと手織りならではの軽さ、暖かさ、丈夫さから長く重宝され今でも愛好家の多い織物です。

 

私は織りの勉強のなかでホームスパンのことを知りました。

 

すべて手作業でひとつとして同じものが出来ないことに魅かれ、以来ホームスパンを中心に制作しています。

 

糸を紡ぐのがいちばん手間のかかる作業ですがスルスルと手の中から繰り出す原毛に撚りをかけるという行為は単調ながらとても心地よいものです。

 

そして一段一段と織り進むシャトルが生み出す布には、日々の想いや季節の美しい感覚、誰かを暖かく包み込みたいと思う優しさが込められています。

 

目指すものにはまだ届きませんがご高覧頂ければ幸いです。

 

田篭みつえ