海辺のギャラリー|同世代作家展「循環体験」

来月10月9日から9日間、知人の同年代作家4人を集めたグループ展示を海辺のギャラリー(福岡・福津)で開催致します。
企画者、作家皆が1992年生まれのアンダー30ですが、今まで別の界隈、世界と対話しながら作品制作を行ってきたアーティスト達であった為、其々交わる接点がありませんでした。しかし、コロナ禍偶然にも彼らが福岡にいる事を逆境に、元々皆と接点を持っていた私を交流の接着剤として、奇跡的な邂逅を果たしました。

私たちの生まれた世代(平成初期生まれ)の多くは昭和という時代が作り上げた常識や幻想、社会の影響を強く受けつつ、幼少期を過ごしました。
しかし、年齢を重ねるたびに、固定電話はスマートフォンに変わり、男尊女卑からジェンダーレスに変わり、ブラウン管テレビからYouTubeへ… 教わってきたこと、覚えてきたことの常識が、目まぐるしいほどの速度で変わっていく様を目にしてきた世代だと感じます。そして、年号は令和となり、改めて自分たちにとっての平成とはなんであったのか考えると、昭和から令和への過渡期であったのではないかと思うようになりました。

どれだけあがこうと時間は過ぎて行き、将来的には規模にかかわらず自分たちの世代が様々な業界での中心となる時が来るはず。そうなった時、果たしてどのようなメッセージを後世に残せるのか。来年には30歳という、1つの節目である年齢が近づいてきている今だからこそ、その様な考えに至ったのかもしれません。だからこそ、これからを生きていく私達にとっては大きく重たいテーマとなることでしょう。

今回展示を行う作家たちの元々の出会いは偶発的なものでした。しかし、集まった作家達の根本となるテーマは興味深いことに対を成しており、生(生命)をテーマとして制作している作家に対して、死をテーマにしている作家、生活に向き合い、ありのままを表現している作家に対して、思想(哲学)を追求している作家、といった相対するモチーフを基軸に活動を進めている同世代4人であったのです。今この時世、外の混沌に対して自分達が提示・表現出来ることは一体何であるのかという挑戦的な思いが、今回の展示発表に繋がった次第です。

そういった別の視点・制作テーマを持つ彼らを集めて同じ空間内に作品を展示することで、現在の社会、さらに表現に対してどのような接続点・見解を見出すことができるでしょうか。企画をした私自身、彼らがどのようなモノを見せてくれるのか非常に楽しみです。ご時世柄大変かとは思いますが、宜しければぜひ展覧会を御高覧頂けると幸いです。

企画・文 江口翔英

seaside-202110-循環体験

イベント名 :同世代作家展「循環体験」

開催場所 :海辺のギャラリー

開催地住所:福津市宮司浜4-2-15 スポーツクラブマウイ1F (地図はこちら)

開催日:2021-10-9(土)~2021-10-17(日)

お問い合わせ:090-8629-9099

利用時間:12:00~18:00
※非常事態宣言などの宣言下の場合は中止もしくは順延となる場合があることをご了承ください。

お休み:期間中無休

料金:入場無料

WEB:https://mori-no.art/seaside-gallery/