みぞえ画廊 福岡店 | 吉村芳生展ー新聞と自画像ー
年末年始に東京ステーションギャラリーで開催されていた「吉村芳生 -超絶技巧を超えて-」をご覧になっただろうか。
没後5年、待望の回顧展だが、吉村作品の全貌を、まさに吉村芳生と言う画家の生き様を見せる展示となっていた。
その作品群を前に涙したと言う声も多く聞いた。
本展は現在広島県の奥田元宋・小由女美術館に巡回中なので、機会がある方はぜひご覧いただきたい。
私が吉村先生とお付き合いさせていただいたのは、生前わずか5年ほどだ。
「この作家となら世界を目指せる」と確信していた。
画廊人生の中で、これほどの作家と何人出会えるだろうか、出会えただけで幸せだと、作品たちを前に感慨に浸る。
あまりにストイックに、超人的な精神力と執念で自身の画業を突き詰めた吉村芳生。
2011年、意気揚々と還暦を過ぎて初めての海外留学で向かったパリで描いたのは、現地の新聞にひたすら鉛筆で描いた1000枚を超える自画像だった。
本展では「新聞と自画像 in Paris」と、新聞にシルクスクリーンで刷られた「阿吽の自画像」を中心に、色鉛筆で描いた花の作品も加えて展示いたします。ご来廊お待ち申し上げます。
みぞえ画廊 阿部和宣
よしむら よしお/1950年山口県防府市生まれ。’71年山口芸術短期大学を卒業。’79年創形美術学校(東京都)を卒業。’85年山口市徳地に移住。2007年山口県展(山口県立美術館)で大賞受賞。「六本木クロッシング 2007:未来への脈動」(森美術館)に出品。’09年「吉村芳生展 煉獄の茶室」(山口県立萩美術館・浦上記念館)。’10年「吉村芳生展 とがった鉛筆で日々をうつしつづける私」(山口県立美術館)。’11年パリに1年間滞在。2013年12月6日逝去。