enlc-201904-平寛-展覧会
 
 
ギャラリーEnlace | 平寛絵画展 ― 冬の虚像 ―
 
 
私は、絵画と言う虚構を構築するにあたり、皆が知っていると思い込んでいる事を解体して新しい見方を示さなくてはいけないと思っています。
 
その為私は、自分自身に最も肌合いの合うテムペラやフレスコといった古典的な絵画技法に多くを学び、支持体や絵肌に注意を払い、幾重にも自作のテムペラ絵具のレイヤーを重ねながら作品を制作しています。
 
 今まで私は、かたちが在るようでかたちが定かではない自然風景のワンシーン、茫洋とした海、空、水、森の木々などをモチーフとして、その輪郭線をぼかしフォルムの抽象化を図る事により、眼で見る事は出来ないが手触りを感じる自然界の雰囲気を表現できるよう努めてきました。
 
 そして、今回の展覧会では、「冬の虚像」と題し、夢の中で見る光のような内部から生まれる風景を東北の風景と重ね合わせたテムペラ画の連作と銅版画を展示します。
 
日常の中に在り、つい見逃しがちな何か、を感じ取って頂けたら幸いです。