昨年20数年ぶりに作品を発表し、その完成されているようでもあり揺らいでもいるような独特の世界観とチープなのに異常に作り込まれた作品群でIAF周辺の人たちの話題をさらった和田聡文。
今回は会期をプロローグと本編に分け、それぞれ2タイトルずつ、間に展示替えの週を挟みながら合計4タイトルを1ヶ月に渡って展示する。
【個展1期】「彼らがわたしをのぞき見る。」
見ているのは私なのに、
撮っているのは私なのに、
カメラのこちら側に隠れていれば、
私は透明人間のはずなのに。
撮影者/観察者と被写体/対象の立場が反転する、彼らの視線の先にある「私」の話。
群集を捉えた数点のスナップ写真とその部分拡大によるインスタレーション。
【個展1期】「牛のおとこ/私はたくさんいる」
16年前、会社での仕事だけの生活で、人とのつながりを失った私。
これではいけないと、奮起して作った6枚だけの年賀状。
その撮影のためだけに自室で作られ破棄された「牛のおとこ」。
25年前、会場の穴埋めに2日だけ展示された「私はたくさんいる」。
今回は他者の視線の先で、乱反射による虚像のように拡散する、
他者それぞれが違って捉えているであろう私の姿を、アルミホイルに
よる立体作品の形で表現したインスタレーション。
あなたを検知する音響装置がブツブツブツブツ愚痴を言います。