Artas Gallery|斉木駿介企画展「メランコリック日常」
Artas Galleryでは、作品制作以外のアート活動にも精力的に挑戦している作家をリスペクトしています。昨年は、アーティスト活動を行いながらキュレーターとしても活動する浦川大志 氏に注目し、浦川大志企画展「 線と_ 」を開催いたしました。今回第二弾として、同じくアーティスト兼キュレーターとしても活躍している斉木 駿介 氏に注目し、この度、企画展「メランコリック日常」を行って頂くこととなりました。
斉木氏は、私達が普段何気なく見ている日常の風景やメディアで取り上げられている情報などを記号として、解体・再構築し、作品として描き出すことで、情報化社会の膨大な情報の海に消えていってしまう「日常」を記録する作品を表現している作家です。
今回の企画展では「日常」をテーマに現代のアート業界で精力的に活躍する日本を代表する若手作家に多数ご参加頂きました。
コロナウイルスによるパンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻、激動の時代とも言える歴史的な事柄に世界が震撼し、日々目まぐるしく変化する事態に半ば強制的に対応しなければならない世界で、私たちにとっての一番身近な日常(世界)とは一体どのようなものなのでしょうか。世界的な激動に翻弄されている現在だからこそ、改めて「日常」について考えてみる本企画に共感いたしました。
各作家の考える「日常」についての表現を通して、人類の歴史として記録される世界≒日常ではない、私たち一人一人にとっての日常=世界とは何かを考えてみてください。
Artas Gallery 村上 博史
“ メランコリック日常 ”
2020年、世界は新型コロナウイルスによるパンデミックで自由に移動したり会話をしたりリアルにコミュニケーションをとる事が困難な時代となりました。
予定されていた東京オリンピックは延期となりショッピングモールは閉鎖され、仕事は可能な限りリモートワークとなりました。
その結果、Twitter、Instagram、ZOOM、YouTube、Netflix、あつまれ どうぶつの森 などインターネットの世界に浸る時間が増加したように思います。
翌年、東京オリンピック開催の混乱を経て収束しかけたかに見えた場面で現れたオミクロン株。そして2022年、ロシアとウクライナの間では戦争が始まり、WHOがパンデミックを宣言して3年目を迎えました。
いつの間にか今日の感染者数をスマホでチェックし、マスクをして他者とソーシャルディスタンスをとって行動するこの生活が当たり前になりました。
人間は変化に順応し慣れていきます。
日常と非日常が混ざり合い日常という定義は変化していくのでしょう。
日常の定義が曖昧になっている現代に日常について改めて考えたいと思いました。
人間は忘れてしまう生き物です。
震災がすでにそうなりつつあるようにパンデミックや戦争もいずれ過去の記憶となっていくのでしょう。
後世には報道などであげられるような大きく異常な事態のみが強く残りがちですが、そこからとりこぼされる現在の日常の感覚も作品と展示空間に記録したいと思いました。
斉木 駿介
イベント名 :斉木駿介企画展「メランコリック日常」
開催場所 :ARTAS GALLERY
開催地住所:福岡県福岡市博多区店屋町4-8-205 (地図はこちら)
開催日:2022.04.23(土) ~ 2022.05.08(日)
お問い合わせ:TEL: 092-287-5599 (プラスフクオカを見たとお伝え下さい)
利用時間:10:00~19:00
お休み:月曜日
料金:観覧無料