Artas Gallery|「 線と _ 」
「 線と _ 」
参加作家
浦川大志、清川漠、BIEN、丸山零、名もなき実昌(順不同・敬称略)
企画展「 線と _ 」によせて
本展は、福岡を拠点として活動する浦川大志が、特徴的な線を用いて絵画を制作する若手作家を集め、その表現をドローイングを通して検証するといった試みを元に開催します。
デジタルイメージが流通する中で、身体を伴って制作される絵画、特に直感的かつ身体的な線を有するドローイングは、単に絵画の下絵(設計図)としてではなく、それ自体を独立した作品としてとらえるだけの意味合いを持つとともに、その中に見える現代における平面やイメージへの眼差しを私たちに示してくるでしょう。それは、デジタル的なイメージがいかに私たちの身体にインプットされているか示しているのではなく、現代において変化し続ける社会やひととのかかわりの間に立つ私たちの実存と結びついているのです。
会場では各作家の作品が展示されますが、それらは空間の中でうつろい、煙のように周囲の揺らぎを取り入れて、私たちの思考や認識をやわらかに変えて行くでしょう。
浦川 大志
ごあいさつ
この度Artas Galleryでは、作品制作以外のアート活動にも勢力的に挑戦している作家をリスペクトすべく、アーティスト活動を行いながらキュレーターとしても活動する作家に注目し、Artas Galleryにて共同で企画展を開催するプロジェクトを立ち上げました。その第一弾として、福岡を拠点に国内外でアーティストとして活躍し、グループ展等のキュレーションも手掛ける 浦川 大志 氏に企画展を行って頂くこととなりました。
インターネットやSNS等が蔓延した情報化社会と呼ばれる現代、パソコンやスマートフォン等のディスプレイを通して視覚情報に寄って得られる大量の電子的な情報は、表された情報を非現実的に感じさせてしまいます。その様な環境にさらされ続けた我々は、五感を通して得られる現実の情報も希薄化し非現実化してしまっています。浦川氏はその様な一種の非現実化してしまった現実を、あえてアナログな手法を用い、キャンバスへと描き出します。独特なグラデーションにも代表される氏の画風は、溢れ、混在し、何が真実で、何が偽りかもわからなくなってしまっている現代の中で、現実を救い取り、事象というグラデーションを幾層にも重ね合わせ、世に溢れるモノの本質を描き出しています。
今回の展覧会では、浦川氏を中心に、作家の描く「線 drawing」に注目した企画展を行うこととなりました。
作品に現れた線は、作家が一筆一筆、自身の手、腕、身体全体を行使し、キャンバスに描き出したものです。そこには作家の全てが込められており、線の一本一本には、作家のその時の健康状態や感情等の精神の機微、作家を構成する様々な情報が込められていると言っても過言ではありません。
デジタルの全盛の時代となり、メディアアート等の機械的に表現される作品も出てきている昨今、また、コロナが蔓延し、人との接触が憚れている今だからこそ、改めて作家の身体性を感じることのできる「線」に注目した浦川氏の企画に賛同し、今回の展覧会を開催することとなりました。
ぜひ作家の全てが込められた「線」をご高覧ください。
Artas Gallery
代表
村上 博史
イベント名 :「線と_」参加作家:浦川大志、清川漠、BIEN、丸山零、名もなき実昌
開催場所 :ARTAS GALLERY
開催地住所:福岡県福岡市博多区店屋町4-8-205 (地図はこちら)
開催日:2021-4-29(木) ~ 2021-5-9(日)
お問い合わせ:TEL: 092-287-5599 (プラスフクオカを見たとお伝え下さい)
利用時間:11:00~19:00
お休み:期間中無休
料金:観覧無料