北九州市立美術館_分館_竹久夢二展

 
 
 

大正ロマンの象徴ともいうべき竹久夢二は、旅を愛する芸術家の一人でした。

 

夢二の旅の出発点は岡山県邑久郡本庄村。
1884年、夢二はこの地に生まれ、1899年、神戸での8ヶ月間の生活を経て、福岡県遠賀郡八幡村大字枝光へ転居します。

 

1901年の夏に上京し、1905年、『中学世界』夏季増刊号「青年傑作集」に投書したコマ絵「筒井筒」が第一賞に入選したことから、夢二は画家としての一歩を踏み出します。

 

愁いを含む表情の美人画で人気を得た夢二は、イラストレーター、詩人、デザイナーといったさまざまな顔を持ち、幅広い分野で人びとを魅了してきました。

 

晩年、夢二はかねてからの憧れであった欧米へ旅立ちます。
アメリカの後にヨーロッパへ渡り、ドイツ、オーストリア、フランスなどを回りましたが、3年に及ぶ洋行は、夢二にとって実り多きものとは言い難く、失意のまま帰国します。

 

それでも、残されたおびただしいスケッチ類からは、異国の風景やそこに暮らす人々が夢二の眼にはどのように映ったのか、苦境に立たされながらも自らの芸術の理想を模索しようとする夢二の心情がひしひしと伝わってきます。

 

本展では中右瑛氏のコレクションのなかから、晩年の欧米滞在中に残された貴重な作品群を中心に、夢二の多彩な芸術世界の一端をご紹介します。

 
 
 

主催/ 北九州市立美術館、毎日新聞社、TVQ九州放送
後援/ NHK北九州放送局、九州旅客鉄道株式会社、西日本鉄道株式会社、北九州モノレール、筑豊電気鉄道株式会社
協賛/ リバーウォーク北九州