九州国立博物館-山の神々 - 九州の霊峰と神祇信仰 -

 
 
 

人類は古くから洋の東西を問わず、高くそびえる山を聖なるものとして信仰してきました。
 
山の多い日本列島においても、人びとは古来、山の大きさやその秀麗な山容に尊崇の念を持ち、農耕に恵みをもたらす水分の神霊が宿る依代として、あるいは厳しく人を寄せ付けない異界、また祖霊の行くところとして、山に特別の敬意をささげてきました。
 
 
九州国立博物館が所在する九州には、宝満山、英彦山、求菩提山、背振山、阿蘇山など、古い歴史を持つ霊山が数多くあります。
 
九州が海外との窓口であったことから、早くから仏教も受容され、山々の神霊は神のみならず、仏の姿としても信仰され、この神仏習合から生まれた修験道の文化も現代に息づいています。
 
 
太宰府市の北東にそびえる宝満山は、古来より信仰されてきた霊山です。
 
宝満山の神(玉依姫命、神功皇后、応神天皇)を祀り、その山麓に鎮座する竈門神社は、天智天皇が大宰府を建設した際に、大宰府の鬼門(北東)にあたる宝満山で八百万神(やおよろずのかみ)を祭ったのをはじまりとすると伝えられています。
 
 
この展覧会では、平成25年(2013年)が、竈門神社のはじまりから1350年目にあたることを記念し、アジアと列島の山岳信仰の接点に位置する九州各地の霊山の信仰遺品を紹介します。
 
 
本展が、アジアとの交流も背景としつつ、神道、仏教、民間信仰などが複雑に結び付きながら発展してきた山岳信仰の歴史を振り返り、現代と未来における山と人との関係のあり方を考える機会となれば幸いです。

 
 
 

◎ 関連催事
・第34回日本山岳修験学会 太宰府・宝満山学術大会
公開シンポジウム「大宰府をめぐる山々と海彼(かいひ)」
日時: 10月26日(土)12:30?17:00(開場11:30)
場所: 九州国立博物館1階ミュージアムホール
主催:日本山岳修験学会、同第34回太宰府・宝満山学術大会実行委員会、九州国立博物館
定員:100名(先着順)
参加費:1,000円
 
申し込み方法:
お名前、ご住所、年齢、電話番号を明記の上、往復はがきでお申し込みください。
(締め切り:10月10日(木))
あて先・問い合わせ:
第34回日本山岳修験学会 太宰府・宝満山学術大会実行委員会
〒818‐0195 福岡県太宰府市宰府4-7-1 太宰府天満宮文化研究所内
電話 092-922-8225(太宰府天満宮代表)
 
 
 
・ミュージアムトーク
日時: 11月6日(水)15時? 15時30分
場所: 文化交流展示室 関連第9室
聴講料: 無料(ただし、文化交流展の観覧券を事前にお買い求めください)